昭和学報

【連載・第1回】スーパーグローバルキャンパスで初の「SWU – TUJ – BST共催シンポジウム」

 世田谷キャンパス内に並ぶ昭和女子大学(SWU)、テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)、ブリティッシュスクール・イン・トウキョウ昭和(BST)による初の「SWU – TUJ – BST共催シンポジウム」が7月10日に行われました。「日本の未来、世界の未来―グローバル社会に生きる責任」という全体テーマのもと、昭和女子大学のコスモスホール、オーロラホール、TUJの3会場に分かれ、学生と生徒がそれぞれ設定したサブテーマについて議論しました。
 記者:小幡 美仁・髙橋 未優・田丸 萌夕希・土居 果歩(五十音順・記者紹介は文末に記載しています)

開会のご挨拶 昭和女子大学 坂東眞理子理事長・総長

 昭和女子大学の坂東真理子理事長・総長は、開会の言葉として、「SWU – TUJ – BST共催シンポジウム」という新たな試みが行われることへの期待、そして現代を生きる若者に必要な力について話しました。また、現代社会で必要とされる「グローバル人材」とは「他の場所で起きていることや直面している課題を自分のことのように考えられる人」だと定義しました。このシンポジウムを通じて、考えを共有することで新しい考えを生み出せると参加の意義を説き、「違っていることをデメリットに考えるのではなく、違っているからこそ新しいアイディアを生み出すことができると利点に捉えることが大切」と強調しました。

基調講演

基調講演は、グローバルに活躍している米澤香子さんを招き、“Becoming a TRUE global citizen”「本物のグローバル人材とは?」をテーマに行われました。
 米澤さんは3~9歳をアメリカニューヨーク州で過ごし、大学で宇宙工学専攻、大学院でHuman Computer Interactionを専攻。電通を経て、現在は世界最大の独立系広告代理店Wieden +Kennedy Tokyoでクリエイティブ・テック・ディレクターに就いています。

“Becoming a TRUE global citizen”「本物のグローバル人材とは?」

 Globalという言葉から連想されるのは留学、海外で暮らした経験、国籍・人種・言語などがあると思います。しかし、それら以上に大切なGlobalな要素とはそれぞれの個人が持っている文化、つまり、「個性identity」です。グローバル人材になるためにはあなたが好きなもの、個性を大事にすることが重要で、米澤さんは、アメリカに住んでいたことや日本人ということよりも猫、宇宙が好きという要素をもった自己をより大事にしたいと考えています。
 米澤さんは中学生の時に宇宙探査機Sojourner 1997に一目惚れし、大学で航空宇宙工学を専攻しました。ところが、大学院には不合格で、「1番のエンジニアにはなれない」と悟りました。このとき、卒論発表会の経験から「技術そのものを作るより、技術を伝えること、人と技術の間の領域を考えるのに私は長けているのかもしれない」と感じ、大学院の専攻を一気に路線変更しました。それが現在の仕事に直結しているHuman Computer Interaction(HCI)です。
 HCIは、マウスやスマホのマルチタッチなどの発明に代表される分野です。大学院在学中に、Human Computer Interactionsを大好きな猫と融合させて、猫用ウェアラブルデバイスを通して猫の行動を解析、オンラインで発信するインタラクションプラットフォームCat@Logを作成し、賞が贈られるまでに高く評価されました。

実際の作品制作をとおして

 2010年からの電通時代には広告業界で商品の魅力を伝える仕事に携わりました。先輩に「猫にGPSをつけていたのなら車にGPSがついているナビの仕事もできるのではないか」とHondaのインターナビの仕事に誘われました。。デジタル広告はまだあまりメジャーではなかった時代に、リアルタイムでクルマの情報を受けとりビジュアライズするウェブサイト「dots now」をチームで開発しました。
 その後、HAKUTOという宇宙探査を行うプロジェクトに参加します。チャールズ・リンドバーグが達成した大西洋横断のレースにインスパイアされた産業革新のための賞金総額30億円のレースです。米澤さんの入社以前はエンジニアとデザイナーが分かれて制作していたため、過度にデザイン性に欠ける、あるいは機能的ではないものばかりでした。しかし、レースに勝つために必要なスポンサー集めにはデザイン性と機能性どちらも必要と判断し、双方の頭脳を集結させていずれも兼ね備えた作品を完成させました。子ども向けにタブレットのアプリもつくり、本物に触れる体験を通してみんなが応援する作品にしました。
 2020年よりWieden+Kennedyに所属し、ファッションブランドbeautiful peopleとの共同商品開発・ブランディング・コミュニケーションも担当しています。ブランドムービー「beautiful people feels / feels experiment」では、気分・気持ちに応じた辞書シャワーカーテン、ほっこりブレンドティーなどユニークなコレクションを紹介。実験の様子から気分・感情の変化が効果的に伝わります。
 このほか、アジア系アーティストLeah Douによる “CATS”のミュージックビデオでは、「電気猫は命の夢を見るのか?」とやはり好きな猫を取り上げています。

好きなもの=自分の文化を発信しよう

 米澤さんは、これらの実践を通じて3つの点を強調しました。
  1. 1つの道を極めて“number one”になることは困難だが、いくつか好きなものを組み合わせると誰にも負けない唯一の ”only one” になれる。
  2. 人生の中で起きたきっかけの重要性、期待していなかった出来事から自分の将来について考えること。
  3. あなただけの『声』を見つけること。その声はあなたの好きなこと。好きなことを発信すること。すると、周りの人がそれに関連した仕事やチャンスを自分に与えてくれる。その声はまた、あなただけの「文化」となる。文化が多ければ多いほど、人間としてユニークさが増していく。そして、自分自身の文化になる。あなたの好きなものでできたあなたは世界で輝く力を持っているから。
 米澤さんは好きなもの、自分の文化を周りに発信し続けることで多くのチャンスを得てきました。自分の文化を大切にすることこそがグローバル人材に必要な要素であるといいます。

記者紹介※五十音順

小幡 美仁
管理栄養学科。趣味はフルートを吹くこと。学園イメージソングプロジェクトに参加している。
髙橋 未優
国際学科。学報委員長。好きなことは自然の中で過ごすこと。
田丸 萌夕希
好きな言葉はご縁。美術館巡りが趣味。
土居 果歩
英語コミュニケーション学科。太陽の光で目が覚めると幸せ。

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