昭和学報

【昭和学報】くまモン育ての親に聞く「地域PRとは」―現代教養学科 特殊研究講座

記者紹介

安部 葉南
現代教養学科1年の学報委員。何かを発信する仕事に就きたいと思いこの学科に進学。最近の趣味は写真を撮ること。

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 人間社会学部現代教養学科の特殊研究講座が11月13日、グリーンホールで行われた。今回の講師は、熊本県のご当地キャラクターの「くまモン」の育ての親の一人で、元熊本県くまもとブランド推進課課長として活躍していた成尾雅貴氏(現一般社団法人くまもとSDGs推進財団代表理事)である。日本国内のみならず、世界にも知られる「くまモン」の活動秘話と地域PRコミュニケーションの方法についての講義を紹介する。

くまモン誕生

 2011年春に九州新幹線が全線開業することになり、開業に先駆けて官民連携の「新幹線元年委員会」が発足した。そこで、委員会は熊本県出身の放送作家小山薫堂氏にキャッチコピーとシンボルマークの制作を依頼した。小山氏からの提案は、クリエイティブディレクター水野学氏と一緒に考えた「くまもとサプライズ」というキャッチコピーと、ビックリマークに似たシンボルマーク、そして「くまモン」だった。
 そう、くまモンは依頼されて誕生したのではなく小山氏と水野氏によって創り出されたオマケだったのである。その後、くまモンは地方公務員として、蒲島郁夫知事から熊本県の営業部長兼しあわせ部長に抜擢され、くまもとブランド推進課の職員とともに、チームくまモンとして活動していく。

くまモンの戦略

 現在様々な商品とコラボしているくまモンだが、その商品をじっくり観察していただきたい。そこには、必ず共通して熊本県に関する情報が掲載されている。あるいは熊本県産の特産物を使用した商品である。ここにくまモンの戦略が隠れている。
 実はくまモンは、キャラクター使用料が発生しない。その代わり、熊本県の情報を掲載するかまたは熊本県の特産物を使用するという条件が課されている。また、農産物に関しては熊本県産以外のものにくまモンを使用することは認められていない。このように、くまモンのイラストを無料で提供することで熊本県に経済的効果が発生していく。くまモンのイラストを使用した商品が売れ、コラボした企業も利益を見込めるというウィン-ウィンの相乗効果を生み出している。

熊本地震とくまモン

 2016年4月、熊本地震が熊本県を襲った。多くの死亡者と被害を出したこの地震で、熊本県民は深い傷を負った。もちろんその中には、チームくまモンの職員もいた。くまモンは活動を自粛し、その後の活動方針について悩んだという。
 そのとき、県外から多くの手紙が届いた。くまモンの安否を心配するもの、激励の言葉などがつづられていた。その手紙を読んで感激したチームくまモンは活動再開を決意し、5月5日のこどもの日に活動を再開した。
 その後も、くまモンは地域復興の旗振りリーダー役として被災者と支援者のどちらも引っ張っていった。現に「FOR KUMAMOTO PROJECT」と呼ばれる被災地支援を行う団体のマークにくまモンが使用されている。
 このように、地域振興と復興支援に貢献しているくまモンは、ただのご当地キャラクターではないことがわかっていただけただろうか。今後も、「くまもとサプライズ」に翻弄されてみたいと思う。

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