授業・学生の活躍

インバウンド戦略で出荷数300%増に成功
企業の課題を専門知識で解決したプロジェクト

 昭和女子大学では、企業や自治体と連携した様々なプロジェクトを通じて、社会で通用する学びを目指しています。その中で現実の”成果”に結びつく例が出ています。施策実施後1か月で、前月比出荷数300%を達成したプロジェクトを紹介します。

ヘルスケア分野のマーケティング

 ビジネスデザイン学科・藥袋貴久(みない・たかひさ)ゼミでは、井関産業の女性社員が手掛けるブランド「ラコルベイユ」と昨年から協働し、女性向け肌着・下着用洗剤ラブリー365のマーケティング戦略の立案・実践・検証を行っています。
 名づけて「ラコルベイユ・ブランドレゾナンス・プロジェクト」は、マーケティング戦略を専門とする藥袋准教授が、一般財団法人日本ヘルスケア協会の理事を務めるなど、近年、ヘルスケア領域における新たな市場創造に取り組んでいることがきっかけで始まりました。変化が激しいヘルスケアビジネスのマーケティングを最前線で学び、実際に店頭で実験し、出荷数などへの影響を検証します。


「ラブリー365」

✎マーケティングとは:新たな価値を創造し、商品やサービスが売れるための仕組みや戦略を考えること。顧客の考え方や行動にも大きな影響を与える。昭和女子大学ではビジネスデザイン学科や食安全マネジメント学科などで学べる。


学生による企画提案のプレゼンテーション

ターゲットは中国人観光客

 今回取り組んだラブリー365は、後発商品のため認知度が低いことが課題でした。そこで中国人観光客を対象に絞り、ブランド認知の確立と買上点数増を目指しました。

 まず最初に、中国人にインタビュー調査を行いました。肌着や下着の汚れに対する意識や悩みを聞き、どのようなメディア・人物に影響を受けて購入に至るのか、具体的な声を集めました。その結果、SNSや動画配信サイトなどで影響力を持つインフルエンサーの存在を突き止めました。これを受けて戦略を立てようとしましたが、しかし彼らに宣伝を依頼すると莫大なコストがかかってしまいます。また、簡単な使い方の紹介動画を流すモニターや、POP広告以上の情報を加えた小さなパンフレットなどを商品の近くに設置することも検討しましたが、店内の配線やスペースの都合から実施には至りませんでした。
 コストや手間を度外視したアイデアは次々に思いつくものの、実現可能なコストと、店舗側の制約条件をなかなか克服できません。
 観光客が訪れるチェーンドラッグストアの店舗には、中国語が話せる販売員が配置されていることが多いため、彼らに商品を勧めてもらうプランも検討しましたが、店員一人一人にトレーニングを行うことのコストや、一つのブランドだけに偏って説明させることは難しいといった事情から、断念せざるを得ませんでした。

「人間を動かす」学び

 競合との比較検討を重ねた結果、他社製品に対抗しうる強みとして、肌着以外の汚れを簡単に落とせる機能性やコストパフォーマンスの良さに気づきました。
 これらの強みを訴求するため、①製品コンセプトを表現するキャッチコピー②インバウンド向け競合商品とのコンセプト比較POP③サイドネットを活用したプラノグラム(棚割り)――を提案しました。
 店内でも競争の激しいサイドネット売り場ですが、学生の戦略提案の論理性や売り場への貢献可能性が評価され、大手ドラッグストアのサイドネットでの販売が実現しました。2019年3月末から実施し、1か月後には店頭への出荷実績を前月比300%以上に伸ばすことができました。

 藥袋准教授によれば、「マーケティングとは顧客の選択や行動に影響を与えるもの。常に『当事者意識』を持ち『相手の立場で考えること』が大切」です。参加した学生は「人を説得するにはアイデアのユニークさだけではなく、しっかりとした根拠やデータが必要だと気付けた」と語りました。

参加学生「厳しさがやる気になった」

 参加した学生は、「企業の方には、厳しいフィードバックをたくさん頂いた。頑張って考えたアイデアも、方向性が間違っていると言われたこともあり、悔しい思いをした。でもそこで落ち込むのではなく、ならばもっといい提案を、と気持ちを切り替えられるようになった」と話していました。
 また、「アイデアや柔軟性に自信がなかったが、提案する機会を何度も得たことで、考えることが習慣になった」「アイデアには自信があったけど、論理的思考に苦手意識があった。しかし、人を説得するにはアイデアだけではなく、しっかり根拠やデータが必要だと気付けた」など、苦手を克服できたという声もありました。
 学生たちは本プロジェクトを通して、実際のビジネスシーンにも通用する専門知識だけでなく、社会で活躍する上で大切となる様々な力を身に付けることができました。
 井関産業株式会社との共同プロジェクトは2019年度も進行しており、後輩たちの活躍も期待されます。

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