授業・学生の活躍

古典常識の教材を作ったら、紙1枚に収まった!?大学生、古典教材を作ってみた(2)

3月23日(土)に2020年度受験生向けオープンキャンパスを開催します。
“昭和女子大学ってどんな大学?”をテーマに大学の特色や概要をお話しする全体説明、学科イベント、学生によるキャンパスツアーなど盛りだくさんの企画満載です。
新3年生だけでなく、全学年の高校生にお楽しみいただけます。

今回の記事で紹介する「古典教材プロジェクト」は、オープンキャンパスでも体験できます。ぜひお越しください。

オープンキャンパスについて

前回までのあらすじ

*前回の記事はこちらからご覧ください。

 入門用の古典教材を作る日本語日本文学科の「古典教材開発プロジェクト」。
 これまで、古典読解において最小限必要な単語を抽出し、それらをもとになじみ深い「走れメロス」や「白雪姫」を古文訳するなど、「流通している学習参考書ではできないこと」に挑戦しました。
 さらに助動詞のキャラクター化にも挑戦。しかし、助動詞の難所である「接続」の教材づくりに苦戦しました。

助動詞の接続や活用を楽しく学ぶ方法

 助動詞はさまざまな動詞や係助詞などとの組み合わせで形を変えます。これも学習者にとっては難しく感じるところです。そこで、キャラクターたちが登場する「カードゲーム」を開発しました。動詞カードに助動詞カードを”正しく”接続していくことで勝敗を決めるものです。

カードゲーム

秋桜祭などで体験してもらい、感想を集め、改良する

紙1枚で古典常識をクリアできる教材

 古典常識は、学校で使用する国語便覧に詳しく解説されていますが、入試や試験といった場合にどこまで詳細な言葉の意味を知っておくとよいのでしょうか。例えば現代でも、「専務と常務はどちらが偉いんだろう」ということは、その意味を正確に知らなくとも、なんとなく「役職」を示すことをわかっていれば話がわかることもあります。
 とすれば、古典常識もあまり詳細な理解をせずとも、その言葉のジャンルやニュアンスをもとにまとめてしまえば、最小限理解すべきことをおさえられるのではないかと考えました。
 教材に載せる古典常識を選ぶために、高校1年から3年生までのさまざまなテキスト約90話の中から、頻出する古典常識項目を抽出。それらを国立国語研究所『日本語歴史コーパス 平安時代編』を活用し、さまざまな古典作品の中での登場頻度をもとに重要度を序列しました。
 これらを集め、ついに最低限必要な古典常識を一覧にした「たったの1ページ」の教材を作り上げました。

権力者を表す上達部(かんだちめ)や殿上人(てんじょうびと)、役職者を表す蔵人(くろうど)など、様々な表現が出てくるが、これらはすべて突き詰めれば「人」

 教材の文中ではこの一覧はあくまで読解のために最小限抽出したものであるという前置きをした上で、「便覧などで詳しく学び、さらに知ることで”読みやすい”から”楽しい”に変わる」と指摘しています。
 これらの教材について須永専任講師は、「勉強をやらない生徒がやるための橋渡しになるための位置づけでありたい」と話していました。

企業や学会からも注目を集めるように

 秋桜祭やシンポジウムなどでの発表を通して、これらの教材は外部からも注目を集めるようになりました。今後、企業と協力してカードゲームのバージョンアップや、学習講座の動画配信などを目指します。
 3月9日には、国立国語研究所で開催される「通時コーパスシンポジウム2019」で発表し、古典常識の抽出作業の過程やその効果、そして実習・問題探索型の授業実践例としてこのプロジェクトを紹介しました。


 プロジェクトに参加する学生は「ものを作るということに全力のエネルギーを注ぐのが楽しかった」と語っており、課題解決や研究をしているという感覚より、心の底から好きな古典に打ち込んでいるという様子でした。このプロジェクトを経験した卒業生の中には、教員として実際に生徒たちに勉強を教えるようになった学生もいるそうです。
 高い課題解決力と豊かな独創性を備えた学生たちの今後に期待が集まります。

3/23(土)オープンキャンパスで体験しませんか?

 3/23(土)に開催される昭和女子大学のオープンキャンパスで、今回紹介した教材の数々をご覧いただけます。さらに「助動詞カードゲーム」を体験できるブースも登場!
 古典学習が好きな生徒の皆さんも、逆に古典が苦手な生徒の皆さんもぜひ足を運んでみてください。

3月23日(土) オープンキャンパスについてはこちら

プロジェクトのオフショット

カードゲームは手作業で切っている。

秋桜祭にて。「助動詞と写真が撮れる」フォトスポットがいまだかつてあっただろうか。

古典常識テキストのおまけ「牛車のペーパークラフト」
牛の色は数種類。中には「レア」もあるんだとか。

教員プロフィール

須永 哲矢 専任講師
主な担当科目は現代語文法、文法・実例研究。研究領域は日本語の語彙・語法・文法・史的研究・活字。2017年には昭和女子大学でTEACHERS OF THE YEARを受賞。

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関連サイト

国立国語研究所「通時コーパスシンポジウム2019」(外部ページ)
「通時コーパスを利用したプロジェクト学習の実践例 ―敬語・古典常識の抽出と教材作成―」として学外発表を行います。

参加者:須永 哲矢 (昭和女子大学),橋本 莉奈,金澤 稀愛,江成 麻子,榎谷 あやか,榎本 早紀,藤井 千里,村田 柚衣,冨田 美晴,中村 日向子 (昭和女子大学学生)

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