授業・学生の活躍

リーダーシップを鍛える「プロジェクト型学寮研修」

 昭和女子大学の特色に、長年続く宿泊研修プログラム「学寮研修」があります。東明学林(神奈川県足柄上郡)と望秀海浜学寮(千葉県館山市)という宿泊施設で、学科ごとのプログラムを3泊4日で実施。学生の主体性や協調性、コミュニケーション力などを養います。プログラムは教員が組み立てていますが、人間社会学部現代教養学科では、学生自らが企画から運営までを担う「プロジェクト型学寮」を初めて実施しました。昨年の環境デザイン学科に次ぐ取り組みです。

「参加」から「参画」へ

 学寮研修は毎年学科ごとに実施します。1・2年生の研修後、学生から「自分たちの意見を取り入れたプログラムにしたい」という声が上がりました。これをきっかけに、学生自ら「参画する」プロジェクト型学寮に変えることにより、卒業後につながるリーダーシップの育成と、計画・運営する力を身に付けることを目指します。

専門分野の学びにつながる学寮を企画

 3月上旬、「学寮リーダーズ」と呼ばれる10人の学生による運営チームが発足しました。学寮リーダーズたちは、専門分野の学びだけでなく、学生自身の責任感の向上や、物事を多角的に見る力を養うこと、アイデアの発想力、意見を論理的に主張するプレゼン力を身に付けることを目標にした学寮研修を計画しました。
 具体的には、「温故知新」をテーマに、過去・現在・未来の時間軸に沿って、学寮がある千葉県・館山について学ぶ「社会調査アクティビティ」を行い、最終的にはそれらを研修期間中にゼミでの専門研究に関連付け、館山の未来について提案するというものです。
 社会調査アクティビティではまず、赤山地下壕・沖ノ島・城山公園(館山城跡)の見学を通して、館山と戦争の関係を知り、「過去」を知るためのフィールドトリップを行います。次に「現在」として、渚の駅たてやまと同施設内の渚の博物館見学で現代の海と人との関わりを学びます。そして「未来」では、各ゼミの専攻とを関連づけ、どのように館山の魅力を社会に発信していくかを考えます。
 これらの企画をもとに、全102人の参加学生が当日スムーズに動けるよう、当日のスケジュールや部屋割り、役割分担、注意事項、避難経路などを記載した「しおり」を作成しました。しおりには、入浴係や食事係などの(それぞれの係の)役割を具体的に明記し、全ての学生が主体的に動けるよう工夫を凝らしています。

組織や従来の制度を見直す

 学寮リーダーズの学生たちは、学寮を企画するだけでなく、従来の学寮研修内の定例会議や、役割分担そのものについても過去の反省をもとに見直す必要があると気付き、改革に着手しました。
 例えば、従来の学寮は入浴係や食事係、研修集会係など、宿泊研修ならではの役割分担がありましたが、役割によって負担に差があるという課題がありました。そこで、廃止できる役割は廃止し、その分入浴係や食事係など、負担が大きいと言われている係を増員しました。
 また、係のミーティングも、これまで日によっては特に連絡事項がないにもかかわらず、毎日実施していました。しかし、今回は係への連絡を放送で行なったり、食事後など全員が集まる場でのアナウンスなどで無駄な会議を削減し、発表の準備などに時間を使えるようにしました。
 さらに、伝統の「灯(ともしび)の集い」の見直しも図りました。灯の集いは、長く学寮研修で行われてきた伝統行事で、ロウソクに火をつけ、暗闇の中で一人ひとりが思いを発表するものでしたが、より長い時間、お互いの顔を見ながら深く話した方がより一層相互理解を深められるのではないかと、思い切って「灯」を使うことをやめ、明るいところで一人1分のスピーチ形式で「これまでの自分と、これからの自分」という発表テーマでクラスごとに実施する行事「零話(れいわ)」を新たに企画しました。
 学寮委員長を務めた下山 永里奈さんは「伝統を変えるには当然しっかりとした理由が必要。あえて伝統を変えるということを、みんなが納得できるよう論理的に説明することは苦労したが大きな学びがあった」と振り返っています。

当日、雨天など不測の事態も発生

 学寮当日は、学寮リーダーズを含め、参加学生はみな望秀海浜学寮への訪問は初めてだったこともあり、計画通りにいかないケースもありましたが、各自の役割や意思疎通のための連絡系統を明確にしていたことでスムーズに動くことができました。雨のため、当初の予定を変更せざるを得なくなるといった事態も発生しましたが、雨天時の対応や連絡・報告ルートなどを明確にしておいたため、慌てることなく研修を進めることができたといいます。

ゼミの結束を深めるプロジェクト型学寮

 この企画は、到達目標の達成以外にも、ゼミの結束という面においても高い効果をもたらしました。
 今回のプロジェクト学寮に参加したのは、4月からゼミが始まったばかりの3学年でした。今回の学寮では、”ゼミ単位で専門を活かしながら提案を行う”ことが求められたので、自ずとゼミ生同士の結束力が高まりました。4日間という短い期間で社会調査を行い、成果を発表したことで互いの強みを理解し、協働して成果を挙げることができました。
 ゼミの結束については、社会調査アクティビティ以外の部分においても重要視され、ゼミ対抗のレクリエーションなどを行うことで楽しく結束を強めることもできました。
 参加した学生は「4月にゼミが始まったばかりで、学生同士の交流は少なかったが、学寮を経て互いの長所を発見できたので、今後のプロジェクトに活かせそう」と振り返っています。

次の学年につなぐために

 学寮終了後も、学寮リーダーズら役割を担った学生たちは、今回の学寮を経て運営上の様々な改善点や次年度への申し送りを洗い出しました。学寮リーダーズを務めた千葉 桃子さんは「さまざまな人の意見を折衝するのがとても大変だった。計画通りに事を進める難しさも知った。しかし、学科全体が関わっているということ、さらには今後プロジェクト型学寮を後輩にも引き継いでいかなくてはいけないという責任感の元やりきることができた」と語っています。
 そして、100人以上のチームをまとめる経験をした下山さんは「リーダーシップとは、自分だけが目立って、一人で全てこなすものではない。周りをしっかり見て、分担しながら物事を成功に向けて結束していくことこそが大事だと学んだ。自分だけが目立てばいいのではなく、協力して組織全体が良い方向に行くことが一番大切。この学びは卒業後にも繋がることだと思う」と力強く語っていました。

LINEで送る

FOLLOW US!
昭和女子大学の日々を発信中!
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • Youtube
昭和女子大学 〒154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57
© Copyright 2003-2018 Showa Women's University All rights reserved.
© Copyright 2003-2018 Showa Women's University All rights reserved.