昭和学報

オリンピアンの先輩、石原奈央子さんに聞く(下)後輩たちへのメッセージ

野久尾 有紗
ビジネスデザイン学科。趣味は美術館巡り、映画鑑賞、ゴルフ。好きな画家はアンリ・ファンタン=ラトゥール。
2020年から2022年にかけ、東京から北京へと異例なオリンピック・パラリンピックとなった。昭和女子大学の卒業生で、クレー射撃日本代表として東京大会に出場した石原奈央子さんに、コロナ禍でのオリンピックの空気、昭和女子大学での生活などについてお話を伺った。

・石原さんの紹介
栃木県鹿沼市出身。昭和女子大学卒。実家の古峯神社の権禰宜。クレー射撃日本代表として、リオデジャネイロ五輪、東京五輪へ出場。

野:悔しさやプレッシャー、それが好きだと思う状態と上手く付き合っていく方法は何かありますか?
石:競技と全く関係ないもの、趣味の時間を作ることを大切にしています。射撃のことを全く考えないことができる空間が作れる、没頭できる時間というか。それを持つようにしています。私なんかは本を読む時間を作ったりもしますけど、魚釣りに行ったりとか。そういう全然違うことを、「本当は練習した方がいいんだろうな」っていうときに敢えて入れる。
野:どれくらいの頻度でされているんですか?
石:まちまちですね。ちょっと(競技に対して)いっぱいいっぱいになってきたな、気持ちが自分で整理できなくなってきたなって思ったら釣りに行くとか(笑)
野:オンとオフの切り替えですね。なかなかオンとオフの切り替えって難しいと思いますが、日々のトレーニングで培ったのですか?
石:多分みんなできないと思ってると思うんですけど、映画とか観てると話しかけられても何言ってるか聞こえなかったりするでしょ?「え?何々?」って。それってすごく集中してるんですよ。好きなモノには集中しちゃうので。それが分かって、「あ、こういうことだ」って。それを自分の必要なところに活かせるように変えていけばいい話なんですけどね。
野:確かに必ず自分のアンテナが向くのはどこかにあるので、学生であればそれをいかに勉強にシフトチェンジできるかということですね。
石:きっとね、ゲームが好きな人はゲームに集中して、誰の声も聞こえない。すごくゲームが上手に進められる。でも勉強になるとまたそれが別になっちゃうでしょ。だからそれを「どういう風になってるんだろう」っていうのを考えたり。私は「何でテレビに集中できるんだろう?」とか。「何で何で、なぜなぜ?」って疑問を多くして、自分で答えを出す努力をしてる。「どうしてこの状態になったんだろう」「何でだろう」って考えています。
野:自分なりに「何でここで集中できるのか」分析して、その答えを勉強にも活かすということですね。
石:勉強とかね、色んなものに多分適応できるんだと思います。「知っている様で自分のことをあまり知らなかった」っていうのがあって。自分がどう考えているのか、動くのか、オリンピックを目指すようになってから自分を勉強する時間が多くなりました。
自分の気持ちを「どういう状態ですか?」って聞かれたときに「え?いや普通です」みたいな感じになっちゃうじゃないですか。だけどよくよく考えてみると「今ちょっと聞かれて動揺して・・・」って詳しく説明できるようになってきて。それは自分を知っていないと説明もできないでしょうし、自分を知るって言うのをだいぶ練習しました。今の状況を把握するって言うのかな。
野:その自分を知ることは、実際に他の試合だったり日々練習を行っている中で活用できているのですか。
石:そうですね。ほぼ試合続きの何年間かでしたから、試合とか練習とかでしかしなかったですね。
野:「自分を勉強する力」。なるほど、ありがとうございます。

・昭和女子大学生へのメッセージ

野:文化祭や留学がオンラインになったりと、かなり生活が一変してかなり学生も動揺した中で励んできたんですけれども、もし今当時の昭和女子大学に通っているご自身に声をかけるとしたらどのように声をかけますか?
石:今制限があるから何とも言えないですけど、やれることは何でも「挑戦」することが大切だと思います。興味がちょっとでもあれば何か得られるものはあると思うので、チャンスを掴む、やれることは何でも手を出した方がいいと思います。その中から何か大切なものが見つかったり、秀でているものが見つかったりするかもしれない。できるだけたくさんのことに興味を持って挑戦してもらいたいと思います。
野:ありがとうございます。大学は幅広く勉強できる期間でもあるので、関心を広げるのも重要ですよね。
石:はい。あまりお勉強をした学生では無いので、いつも怒られていた、サボり気味チームの方だったのですけれど(笑)、もう少し真面目にやっておけば良かったななんて今は思いますが、色々なことを知る方が自分に得だと思う。世の中で人と話すときに、話題を提起できたり、それを受け入れることができるのはやっぱり「知識」に勝るものはなくて。
その点、私は昭和女子大学で色々な科目を学ばせて頂いたので、本当に。昭和女子大学で医学も学びました。医療文系みたいなこともね。だから医療の先生たちと話していても、「あ、それ知ってる知ってる。こういうことですよね」っていう風な会話も成り立ちますし、それこそ哲学から歴史から英文学の話から、ボストンに行ったことあるよとか。そういう色々な事が問題提起されて話されてもついていけるし。やっぱり会話ができるのは社会に出て、強いと思う。たくさん色んなことを学んで貰いたいなと思います。

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