昭和学報

オリンピアンの先輩、石原奈央子さんに聞く(上)東京五輪の記憶

野久尾 有紗
ビジネスデザイン学科。趣味は美術館巡り、映画鑑賞、ゴルフ。好きな画家はアンリ・ファンタン=ラトゥール。
2020年から2022年にかけ、東京から北京へと異例なオリンピック・パラリンピックとなった。昭和女子大学の卒業生で、クレー射撃日本代表として東京大会に出場した石原奈央子さんに、コロナ禍でのオリンピックの空気、昭和女子大学での生活などについてお話を伺った。

・石原さんの紹介
栃木県鹿沼市出身。昭和女子大学卒。実家の古峯神社の権禰宜。クレー射撃日本代表として、リオデジャネイロ五輪、東京五輪へ出場。

東京五輪の記憶

野久尾(=以下:野):東京大会から時間が経ちましたが、当時の思い出を伺わせてください。実際に開会式、選手村で過ごしてどのように感じましたか?
石原様(=以下:石)開会式はやはり独特の雰囲気で、無観客でしたが、この地を踏めて良かったと。その場に立ってみないと分からない雰囲気を感じました。
晴海の選手村から国立競技場までバスで移動したのですが、全部封鎖されて誰もいないレインボーブリッジを走りながら、「オリンピックって凄いな!」と思いました。
野:一生目に焼き付くような思い出ですね。一方で選手村での生活はどうでしたか?
石:選手村では毎朝PCR検査を受けて自分で届けに行き、次の日の検査キットを貰ってまた帰っていきました。対策はされていたと思いますし、コロナ禍での「慣れ」もありましたが、リオと比べても全然違う、「コロナの中」の雰囲気がありました。
野:そのような対策の中で選手村の動画で食堂にもパーテーションが張られているのを見ましたが、食事はいかがでしたか。
石:食事はとても美味しかった。「あれが食べたいんだけれども、何て名前なんだ」と外国の人に何回も聞かれました。他の国の選手たちとの交流は食事や食べ方について聞かれることが一番多かったです。
日本は果物が美味しいみたいで、「あの桃だけが食べたいんだけど何て言ったらいい?」とか聞かれましたね。
野:そうなんですね!例えば天ぷらとかお寿司とか、海外の方から人気というイメージはありますけれども、果物は意外でした。
石:そうそう、どこの試合でもワールドカップだとか、もちろんリオ大会でもそうですけど、日本では考えられないくらい皆さん果物を摂るの。
スポーツ選手だからなのかもしれないですけど、それに加えて美味しさが全然違うって、「何か甘いの注入してるの?」、と言われたり(笑)
野:果物の評価が高いという日本の特徴は新しい発見です。試合に出場して、有観客と無観客の空気感の違いや、ご自身の緊張感など違いはありましたか?
石:もともとクレー射撃は観客がいないんです。「がんばれがんばれ」という応援も全くないのがクレー射撃では普通です。
リオの時は歓声が凄くて一発、一発でブーイングが出ていました。それに私は驚いて、「この観客の中でどうやってコントロールしていくか」が課題でした。
観客がいたら応援はもらえると思いますし、それはそれですごく力になっただろうとは思いますけど、普段からあまり観客もいないので、今回無観客になっていつも通り静かな中で試合を運んでいった感じです。
野:日本の試合はコロナウイルスに関係なくいつも観客がいないのですか?
石:日本の試合も、ワールドカップやアジア大会という大きな試合でも「静かにしてください」みたいな雰囲気があるので、独特だと思います。皆さんがオリンピックとか見たら歓声があがっているのを目にすることがあると思いますが、あれは本当に特別で、オリンピックだけですね。


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