昭和学報

シンポジウム「女性リーダー育成への挑戦」に学ぶ③

記者:N.K
心理学科所属

「女性リーダーを増やすために女子大学に求められる教育」を議論

 論点整理を踏まえ、女性管理職を増やす、新しい取り組み・リーダーシップの在り方を模索する中で、女子大学がどのような役割を果たすのかについて討論が行われた。今井章子教授がモデレーターを務め、パネリストとして坂東理事長・総長、青木准教授、小森専任講師、女性リーダー研究会メンバーの瀬戸山聡子帝京平成大学教授(本学女性文化研究所特別研究員)が参加した。
 瀬戸山教授は、「企業が女性管理職・女性リーダーに今後期待する活躍の場として、従来女性に不向きとされてきた営業職や製造現場」があるという。大学教育には、「コミュニケーション能力・自分の中で考え続ける力・協働意識といった社会人基礎力養成の期待、具体的な女性管理職・女性リーダー育成につながる教育として、ジェンダー教育・リーダー経験・継続する力・企業との交流企業への訪問機会の増加、業務理解」などが求められる。産学連携プロジェクトなどの機会を通じて、振り返りと深堀りによって「経験を文章化・言語化し、自分事として語れる表現力、プレゼンテーション能力の教育が必須だ」と指摘した。
 青木准教授は、「企業の人事政策への提言を行うべく本学を含めたジェンダーダイバーシティ研究機関が研究を深めていくべきだ」と指摘した。本学には「社会人女性が本学の学生のメンターとなって学生のリーダーシップ上の悩みに関してコーチングをするという研修方法、学生へのリーダーシップ論など提供、キャリアカレッジでは役員レベルから非管理職までの女性、ならびに男性管理職を対象とした研修」などがあり、今後は企業との共同研究で中途・パートを含めた多様なライフスタイル・ライフステージにも適用可能な人事制度の研究開発にも取り組みたいとした。
 小森専任講師は、日本とフランスの比較で、性別役割分業に反対、自己評価、将来の夢がある、夢のために行動を起こしている、働くことに前向きなどの項目で日本の大学生はフランスよりも評価が低いと指摘。祖母や母が働いている仏学生は働くのが当然なのに対し、日本人学生は母と同様に自分で子育てしたいと感じており、ロールモデルの少なさから選択肢を少なくしている。「学生に対しては無意識のバイアス解消などで広い視野を持てるようにすること、主体的進路選択ができる知識・学び習慣・意識を身に着けてもらうことが、社会人女性に対しては学び直しの経験の場、ネットワーク構築の場を提供できるのではないか」との考えを示した。
 坂東理事長・総長は、「社会に出てリーダーをするための経験を与えるプログラムをたくさん行っているが、自分の中で消化して自分の言葉でプッシュすることがこれからの女子大の教育としてもう一つ必要なのではないか」と提言した。また、「若い女性自身が『私は女性だから』という形で自分を縛ってしまうことを変えるためにも、経験や知識だけでは十分でなく考えさせなければいけないということを改めて実感した」と述べた。
 さらに、社会にでた後でのリカレント教育について討論された。坂東理事長・総長は、日本では社内で直接すぐに役に立つようなスキルを研修するという点に力点が置かれているが、特に女性の場合は「今女性を取り巻く環境がこんなに変わってきている、外の世界を見なさいという経験をすることがとても大事」と指摘。「企業には将来リーダーになる女性への期待を表明するためにも、そうした社外の研修の機会にチャレンジすることをプッシュしてほしい」と訴えた。
 今井教授は、「本学もリカレント教育に対して大きな問題意識を持って様々なプログラムを行っている。キャリアカレッジや一年間で学べる社会人向けの福祉施設や消費者志向といった新しいタイプの経営の仕方を学ぶような大学院を開設しており、社外ネットワークを広げる場を提供することも大学の機能として期待している」ことを紹介した。
 最後に坂東理事長・総長が、「わたしたちは女性が将来リーダーになれるような教育をするために努力している。企業が若い女性社員に期待して機会を与えるよう、心から期待している。企業の意識や大学の皆さんと、ガッツで社会を変えていきたい」とシンポジウムを締めくくった。

シンポジウムを聞いて

 本シンポジウムを聞き、本学が女性のリーダーを育成するために様々なプログラムを行っていることを知ることができた。その一方で、このような教育の機会やコミュニティの場を得ることはまだまだ一般的ではないと考える。このような機会を得ることができる個人だけがリーダーになる社会ではなく、構造を変えて皆が機会を得ることができることが必要だと感じた。

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