昭和学報

【研究室訪問】「つながりを大切に」障害ある人のキャリア形成研究、根本先生

※この記事は2018年5月に発行された昭和女子大学の学校新聞「昭和学報」から抜粋したものです
 今回は、社会福祉学科 専任講師の根本治代(ねもと・はるよ)先生について紹介したい。
 先生は、知的障がいのある方のQОL(qualityof life)の向上と、そうした方が主体的に職業を選択し、就労する「キャリア形成」の在り方について研究されている。

学生時代の視点が今に生きる

 先生は法政大学社会学部社会学科の稲上毅先生(現東大名誉教授)のゼミで学ばれた。ゼミでは「競争と協調、連帯と排斥、支配と抵抗、同調と逸脱、忠誠と反逆」など、その行為の目的と手段の関連を人々がどう捉えるのか、その背景にどんな集団的規範が働くのかを、先輩も含め熱く議論された思い出があるそうだ。こうした学生時代に学んだものの見方は、現在の研究にも大きく影響していると話された。

公務員として福祉の現場の最前線へ

 また、家庭裁判所調査官の方の家族社会学の講義に感銘を受け、地域社会全体で家族と社会の「つながり」を作る家庭裁判所調査官の仕事をしようと、試験を受けたこともあるそうだ。残念ながら二次試験で落ちてしまったそうだが、その後の児童養護施設での学習支援の経験から、卒業後は公務員として障がいのある方の生活支援や、相談ワーカーとして福祉の現場で一〇年のキャリアをお持ちである。

仕事・子育て・勉強と両立

 その後、そうしたソーシャルワーカーとしての実践を地域福祉の現場で活かそうと、公務員を退職され、社会福祉士の国家資格取得を志し、通信制の養成学校で学ばれた。
 その二年間は、仕事や子育て、受験勉強と大変厳しい日々を過ごされたそうだ。資格取得後には、大学院の修士・博士課程に進まれ、障がいのある方のライフステージを見据えた支援を中心に研究されている。公務員と社会福祉士としての仕事により複数の視点をもてたことが、本学での福祉分野の人材育成における強みとなっているそうだ。

根本先生「人生の中で大学の学びを引き出して」

 福祉社会学科では、社会福祉士を目指す学生も多い。その社会福祉士が企業と企業、企業と個人との橋渡し的存在となり、社会で力を発揮するには、地域で暮らす障がいのある方々を知り、身近に感じるチャンスが大切であると根本先生は話す。
 「大学での学びには、キャリアを積み上げていくプロセスを通して気づくことが多くあります。現在の研究は大学時代の恩師稲上先生の研究テーマ(労働・CSR)と関連しており、何十年かけて一巡りして大学時代の学びにたどり着いています。
 このような経験から福祉社会学科の学生には、四年間の学びを今後の永い人生の中で、多様な場面で引き出せるよう、大事に育んでほしいと思います」と根本先生は話している。
 お話をお聞きし、母として子育てをしながら資格を取得され、ご自身の研究活動のほか、後輩の育成と多方面で活躍されている先生に、同性の頼もしい先輩としての魅力を感じた。

(学報委員)
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