アカデミック

日本考古学協会で本学から研究発表

 考古学研究者の全国組織、一般社団法人考古学協会が5月27日、都内で研究発表会を開催し、本学歴史文化学科から菊池誠一教授と小泉玲子教授の2名が研究発表を行いました。

「治安維持法」が考古学の世界に与えた影響とは

 菊池誠一教授のテーマは「治安維持法下の考古学-日本考古学史を振り返って-」。1925年から1945年の終戦まで続いた治安維持法により、多くの自由主義者や民主主義者、社会主義者らが弾圧されました。中には考古学者で逮捕された者もいました。
本研究は、逮捕された考古学者3名に焦点を当て、当時の特別高等警察の資料をもとにその理由を探るもので、同法で学問の自由が阻害される中、考古学は徐々に土器の編年研究といった社会や政治批判とは無縁な方向へと転換したことを指摘しています。
さらに、“思想の統制”といった観点から、現代の考古学が直面しうる問題を提起しました。

9次におよぶ「中屋敷遺跡調査団」発掘調査を報告

 小泉玲子教授のテーマは「神奈川県足柄上郡大井町中屋敷遺跡第9次調査報告」。神奈川県足柄上郡大井町中屋敷遺跡は、「土偶形容器」が出土したことで知られる弥生時代の代表的な遺跡の一つです。本学の研修施設・東明学林から近いこともあり、地主の方のご好意で、1999年から発掘調査を行っています。ともに発表した佐々木由香非常勤講師は、学生として第1次発掘調査に参加していました。以来、20年近くに計9回、学生とともに発掘調査を行ってきました。遺跡から炭化した稲をはじめとする栽培植物を確認し、関東で初めて稲作が行われたことを裏付け、考古学界で高く評価されています。
 今回は、昨年9月に行った第9次発掘調査について研究をまとめました。8次までは遺跡の中央にコンクリートの通路があったため調査地が東西に分断されていました。9次ではコンクリートを取り壊して発掘。土器の破片が過去の調査の破片と接合し、今まで見つかった遺構がまとまりをもつことを確認できました。
 発掘調査の参加メンバーからは、全国各地で文化財行政に携わる人材を多く輩出しています。今年は、第10次発掘調査を9月に予定しています。

教授 プロフィール

菊地 誠一 教授 (アジア考古学 / 人間文化学部 歴史文化学科)

東南アジアの考古学と日本とアジアの交流史を中心に研究。本学の協定校であるハノイ国家大学とベトナムで発掘調査を25年にわたって実施し、大学院生や学部生も参加している。一般社団法人日本考古学協会の理事を務めている。

小泉 玲子 教授 (日本考古学 / 人間文化学部 歴史文化学科)

日本の弥生時代・古墳時代を中心に研究。授業では物の見方や基本的な考え方を学ぶために、講義のほかに土器洗い、拓本、実測、ガラス玉作りなどの作業も取り入れている。

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